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北海道は面積が広く、公共交通機関ではアクセスしにくい観光地もあります。電車やバスの発着時間を気にせず、自由に北海道を行き来したい場合は、車を利用すると便利です。しかし、北海道の道路や車には、他の都道府県ではなかなか目にすることのない特徴や、気を付けなければならないポイントがたくさんあります。そこで、車を使って北海道旅行をしたいと考えている人のために、知っておくと便利な基礎知識や注意点などを紹介します。
北海道旅行・ツアー > 北海道観光コラム一覧 > 広い北海道の移動に便利な車!どんな点に気を付ければいい?
2020.11.15更新
北海道は面積が広く、公共交通機関ではアクセスしにくい観光地もあります。電車やバスの発着時間を気にせず、自由に北海道を行き来したい場合は、車を利用すると便利です。しかし、北海道の道路や車には、他の都道府県ではなかなか目にすることのない特徴や、気を付けなければならないポイントがたくさんあります。そこで、車を使って北海道旅行をしたいと考えている人のために、知っておくと便利な基礎知識や注意点などを紹介します。
北海道を旅行する計画を立てる前に、まずは北海道の広さについて知っておきましょう。北海道の面積は約8万3000平方キロメートルと、日本の国土の約2割を占めます。47都道府県の中で最も広く、東京都の約38倍です。道域の東西を直線距離で結ぶと約500kmと、大阪〜福岡間の直線距離に匹敵します。一方、南北の直線距離は約400kmですが、これは東京〜大阪間に相当する距離です。そのため、道内を移動する場合でも、目的地によっては1日で到着できない可能性があります。余裕をもったスケジュールを立てるためにも、事前に中心都市の札幌市から各都市へのおおよその移動時間を調べておきましょう。
下の図のように、札幌市を拠点にこれらの主要都市を全て周ろうとすると、かなりの時間がかかります。移動距離も長くて効率も悪く、さらには長時間のドライブによって疲労もたまり、危険も伴うのであまりおすすめの方法ではありません。広い北海道には空港もたくさんありますので、行きたい観光地やホテルに近い空港を事前に調べて、無理のない計画を立てるのが良いでしょう。
エリア | 場所 | 距離 | 時間(有料道路利用) |
---|---|---|---|
千歳市 | 新千歳空港 | 45km | 車で約50分 |
小樽市 | 小樽運河 | 45km | 車で約45分 |
洋菓子舗ルタオ | |||
天狗山 | |||
苫小牧市 | ノーザンホースパーク | 66km | 車で約1時間15分 |
ウトナイ湖 | |||
富良野市 | ラベンダー畑 | 114km | 車で約2時間 |
富良野スキー場 | |||
旭川市 | 旭山動物園 | 130km | 車で約2時間 |
室蘭市 | 地球岬 | 133km | 車で約2時間 |
白鳥大橋 | |||
函館市 | 函館山(夜景) | 248km | 車で約4時間10分 |
五稜郭タワー | |||
釧路市 | 釧路湿原 | 328km | 車で約4時間10分 |
ノロッコ号(4〜10月限定) | |||
稚内市 | 宗谷岬(日本最北端の地) | 315km | 車で約5時間 |
網走市 | 博物館網走監獄 | 359km | 車で約4時間40分 |
能取岬 | |||
根室市 | 納沙布(のさっぷ)岬 | 453km | 車で約6時間 |
明治公園 |
北海道は道域全体だけではなく、主要都市1つ1つの面積が広く、移動するだけで何時間もかかってしまうでしょう。札幌市から隣接した小樽市まで移動するだけでも、最短で60分ほどかかります。しかも、最短ということは、途中で休憩や食事もとらずに走り続けても約70分ということになります。実際に旅行の計画を立てるときは、移動時間だけではなく観光や食事の時間も含めてスケジュールを組むことになります。さらに、慣れない道を走ることや、天候なども考慮すると、1日に何カ所も巡るのは難しいでしょう。
無理のないプランを立てるには、どの程度の距離なら余裕をもって移動できるかを考えたうえで、宿泊する場所を決めるのがポイントです。観光する場所や宿泊場所を決めたら、有料道路などを利用して最短ルートで移動するか、遠回りになっても一般道を使うかを選びます。一般道を使えば、移動にかかる費用を抑えられるので、その分の予算を宿泊費用やお土産代などに回すことも可能です。ただし、移動だけで4〜5時間も運転を続けることになった場合、寄り道や観光はほとんどできないという事もあるでしょう。移動中に立ち寄りたい場所があるのであれば、できるだけ移動時間を短縮できるルートを選択したほうが良いかもしれません。
車で北海道を旅行するときに気をつけたいのが、給油をするポイントです。北海道は街中であればお店も多く、道も整備されていますが、市街地から離れると手つかずのままの自然が残っている場所も珍しくありません。商店どころか民家すら見当たらず、ひたすら道が続いているだけの場所も多くなります。そのため、ガソリンが減り始めてからガソリンスタンドを探しても見当たらず、そのままガス欠に陥ってしまうケースは避けなければいけません。また、ガソリンスタンドの営業時間にも気を付けなければいけません。特に、小さなガソリンスタンドは夕方には閉まっていたり、週末や祝日は休みだったりすることもあります。身動きがとれなくなってしまうような事態を避けるためにも、どこで給油をするか考えながら移動しましょう。
給油をするタイミングは早めを心がけたほうが安心です。特に三国峠や石北峠などの有名な峠を越える時には、事前の給油を意識した方が良いでしょう。北海道の道には「この先ガス欠注意」といった看板が立っている場所もあるので、見かけたら付近で給油をしたほうが無難です。長距離の走行を予定している場合は、燃費の良いハイブリッドカーを選ぶのも良いかもしれませんね。
冬場に北海道を旅行する場合、雪道を走り慣れていない人がレンタカーを利用する場合は注意が必要です。冬の北海道では中央線や停止線、横断歩道などが雪に埋もれてしまい、位置が分かりにくくなります。地元の人や雪道に慣れている人なら、スノーポールで路肩の位置を判別できますが、慣れてない人では見分けるのが難しいかもしれません。また、車の窓に雪がついたり、窓が凍ってしまったりすると、視界が狭くなります。たとえば、バックモニターも雪で映らなくなってしまうことがあるので、普段からモニターを見て駐車やバックをする習慣がついている人には扱いが難しくなります。
また、観光をする地域にもよりますが、10月から4月くらいまでの期間はスタッドレスタイヤが必要です。北海道の冬の運転では、車の仕様だけではなく、自然現象にも注意が必要です。特に、ホワイトアウトとブラックアイスバーンは、重大な事故につながる可能性もあります。ホワイトアウトとは、激しい雪や吹雪によって前が見えなくなってしまう現象です。ブラックアイスバーンとは、道路が凍結するアイスバーンという現象のひとつですが、一見すると路面がただ濡れているように見えるのですが実際には薄い氷の膜があり、非常に見分けづらくなっている状態のことです。遠目からだと濡れているだけのように見えますが、氷が張っていると気づかずにスリップ事故を起こす可能性が高まってしまいます。
たとえ路面が凍っているように見えなくても、外気温がマイナス3度を下回っているときは、ブラックアイスバーンを意識して、慎重に運転をした方がよいでしょう。もちろん冬対策だけでなく、スピードの出しすぎや車間距離を十分にとるなど、慣れない道での運転には十分に注意が必要です。
北海道には山や野原の中など、野生動物が生息する場所を通る道が数多く存在します。そのため、走行中に野生動物が車道に飛び出してくる可能性も高くなります。ウサギやキタキツネなどの小動物だけではなく、エゾシカのような大きい動物が飛び出してくることもあります。北海道は道幅が広く、真っすぐで走りやすい道が多いため、ついスピードを出しすぎてしまうこともあるでしょう。しかし、あまりにもスピードを出しすぎると、急に動物が飛び出してきたときに対応ができません。たとえ車が少ない道でも、ある程度スピードは抑えるよう心がけましょう。
動物が飛び出してきたときは、クラクションを鳴らしてはいけません。大きな音に驚いた動物が、その場で動かなくなってしまうことがあります。また、小さい動物を見かけても、車を降りて触りに行ったり、エサをあげたりしないようにしましょう。特に、キタキツネはエキノコックスという寄生虫を持っている事が多く、エキノコックス症に感染すると、腹痛や発熱、肝臓障害などの症状を引き起こす場合があるので、注意が必要です。
車で観光スポットやお店に行く場合は、駐車場の場所や広さ、混雑する曜日や時間帯なども調べておきましょう。駐車場がある場所でも、駐車できる台数が少なかったり、混雑していて入れなかったりする可能性があります。スムーズに移動するためにも、駐車場が比較的空いている時間帯や、付近にある駐車場の場所をあらかじめ調べておくと安心です。車での北海道旅行は念入りな準備が必要ですが、車でなければ行けない場所や、見られない景色もたくさんあります。楽しいドライブにするためにも、事前にしっかりと計画を立てましょう。